【実は日本人も使っていた⁉︎】医療における麻の時代による変化

 日本において麻といえば、衣類や寝具などの素材に使われているイメージを持っている人が多いのではないでしょうか。あまり良い印象のない麻ですが、実は医療の現場において活躍してくれることが期待されています。
 そこで今回は、麻が医療現場においてどのような使い方がされてきたのか、大麻取締法が施行されてから状況はどのように変化したかなどを解説していきます。
あわせて、近年海外で注目されている麻の有効成分についても紹介していきますので、ぜひ目を通してみてください。

日本では戦前から戦後しばらくは医薬品として活用

 日本は海外に比べると、麻に対して良い印象を持っていない国といえます。しかし、日本では戦前から戦後しばらくは医薬品として活用されていました。実は、の日本における医薬品の規格基準書である「日本薬局方」では、大麻草がぜんそくや鎮痛剤として処方されていたことが記載されています。1925年よりも前の日本では、医薬品として大麻が販売されていた実績があるのです。

大麻取締法が施行されると状況は一変

 現在、日本では大麻の所持や使用は法律により禁止されています。違法薬物という印象がありますので、昔は医療現場で活躍していた医薬品といってもなかなかピンとこないでしょう。日本において大麻の扱いが大きく変わった理由が、1948年に施行された大麻取締法によるものです。第二次世界大戦のGHQ占領時に制定された法律で、麻を栽培することはそれぞれの都道府県知事から許可を得なければいけなくなりました。さらに、今まで医薬品として使えていたにも関わらず、大麻取締法の第4条に記されている「大麻から製造された医薬品を施用し、又は施用のため交付すること」と、「大麻から製造された医薬品の施用を受けること」が禁止されます。そのため、医療目的での大麻利用について、医師や患者が使用できない状況になったのです。

近年海外で麻の有効成分に注目が集まる

 日本では大麻は嗜好品としての使用は当然ですが、医薬品として医療現場で使うことすらできません。しかし、近年海外では麻に含まれている成分に注目が集まっており、アメリカやカナダでは医薬品として地位を確立しつつあります。
 医療用大麻といわれるものを臨床使用しており、大麻に含まれているTHC(テトラヒドロカンナビノール)と、CBD(カナビジオール)に熱い視線が向けられているのです。
 テトラヒドロカンナビノールは、高揚感・感覚を鋭敏にする効果があります。それにより、精神疾患や肺癌の成長を阻害すること、さらに線維筋痛症の疼痛緩和に期待が寄せられています。一方で、カナビジオールには痙攣・不安神経症・炎症・嘔吐などを緩和する効果があり、さらに癌細胞の成長を抑制する効果にも期待されています。
 これらの効果があることから、医療用として大麻を使用するという方向性に進みつつあるのです。※日本では陶酔性のあるTHC、または葉や花穂からとれた成分は法律で禁止されています。

今後日本では医療用に大麻が使われる日は来るのか

 医薬品として大麻が効果を発揮することから、海外では積極的に使用するという動きがみられます。しかし、日本では大麻取締法によって厳しく取り締まられているため、今のままでは当然使用できません。
 今後どのように進んでいくかはわかりませんが、医療用に大麻を使っている海外諸国、とくにアメリカでは20の州が医療用大麻を許容しています。地域によっては大麻が嗜好品として合法になっていることから日本とは規制レベルの違いがもちろんありますが、医療現場で活躍することはわかっています。
 実際に、各国で大麻を合法化する流れはあり、なかでも医療用大麻を合法化する国・地域は急激に増加中です。日本のお隣である韓国でも医療用大麻が合法化されましたし、イギリスやドイツ、オーストラリアでも医療用大麻を合法化する動きが増えています。
 世界中の医療現場で大麻が活躍していることがわかれば、日本でもいつの日か医療用として大麻が解禁されるかもしれません。実際、日本では嗜好品としては使用や所持、栽培は禁止されていますが、産業としての使用については免許を持っていれば栽培が許可されています。本で医療用大麻が合法化されるには、WHOとアメリカの連邦法の取り締まり基準が変わることが重要です。日本の法律にはWHOとアメリカが大きく関わっているため、ここが変化しなければ合法化へと進むことは難しいでしょう。

まとめ

 大麻は違法薬物としての地位を確立しているといっても過言ではないほど、日本では悪いイメージを多くの人が持っています。しかし、ドラッグとしてではなく、実際に海外では医療用として大麻が活用されており、臨床試験も実施され病気への効果が期待できることから合法化が進んでいるのも事実です。
 ここ数年で急激に大麻を合法化する国や地域が増えていますが、嗜好品としてではなく医療用としての許容が目立ちます。
 今後、世界的に医療大麻の合法化は進むと予想されていますので、動向からは目が離せません。

引用元

https://hado.com/cbd/ 株式会社I.H.M 世界が注目!麻の注目成分CBDとは何か
https://www.binchoutan.com/hemp/info.htmlプレマ株式会社 ヘンプの歴史と魅力、その効果
https://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/yakubuturanyou/taima01/dl/pamphlet.pdf厚生労働省〜大麻の正しい知識で正しい判断〜
http://cannabis.kenkyuukai.jp/special/index.asp?id=19144日本臨床カンナビノイド学会 法制度 海外と日本の比較
https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=7643日本医事新報社 医療大麻とは
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000193406.html厚生労働省薬物乱用防止にかする情報

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